旧事本紀研究会
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今日のふるごと -78-

曰く、人の善は是れ道の根なり。人は天地と並(ともに)、身を竪と為し、禽獣は天地に伏(はらばう)て身を横と為す。善の状は外に見(あらわ)るべし。
 人の躰は五音に合わせて五臓を成す。六気に合わせて六腑を成す。
 禽獣は一、二、或いは三、四耳(のみ)ならむ。善の状は内の軀(み、かたち)に内に見るべし。身を竪とする者は気の位を正し、其の横なるものは正しからず。
 善の状は気の徳に於り見(あらわ)るべし。五臓ある者は五性を足(そな)へ、其の無きものは不足(そなわらず)。善の状は性徳に見(あらわ)るべし。
 人の善は是れ、善作の最(すぐれた)る者なり。是れ足る者は之を行ふに易矣(やすし)。

「御語本紀」より

物部鎌姫連公は万生の命の元は同じであるのに人と禽獣の違いはなぜかを御質されたのに対して教えられた。
 人の善は道の根として隠されるが禽獣は外の姿にその美(よさ)を見しているその相対、直立に生きる歩みと寝そべって横になり生きるものの相対、生きている点に於いては同じであっても暮らしの状(さま)が異なることに注意せよとの誨である。
 人間はその気を心によって調節し得る能力があるが、五音(運)六気の天体構造と一緒にならざる禽獣にそれがない。気徳は人間のみにそなわるものである。そのことを太子は誨へられるのである。

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